日本発達心理学会
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ワークショップ・シンポジウム

2013年度国内研究交流委員会のお知らせ

■地区シンポジウムのご案内

 国内研究交流委員会では、11月に関西地区・東北地区において地区シンポジウムを開催する予定です。
 関西地区シンポジウムは,臨床発達心理士資格更新研修会・学校心理士資格更新研修会として承認、また東北地区シンポジウムは臨床発達心理士資格更新研修会として承認されています。
 多くのご参加をお待ちしております。

■関西地区シンポジウム

担当者:近藤 恵(天理医療大学)

 2013年度の関西地区シンポジウムは、紅葉のきれいな時期に奈良で開催する予定です。今回のテーマは、「小児がんの子どもの日常を支える―包括的ケアと学校教育の役割―」です。
 医学・医療の発展により、小児がんの治癒率は劇的に上がっています。このことは小児がんを患った子どもとその家族にとって喜ばしいことですが、闘病生活における多くの不安や困難がなくなったわけではありません。また、入院生活や自宅での闘病生活の中で、患児やご家族が何を思い、どう過ごしているのかということに私たちが触れる機会は多くはありません。
 近年、我が国では小児がんをはじめとする病気の子どもやその家族の生を支える包括的支援や緩和ケアが整いつつあります。しかしながら、学童期を生きる子どもにとって同世代の子どもと過ごす場である学校や学校教育については、包括的支援の一つとして捉えられることはほとんどありませんでした。病気の子どもの研究が進むにつれて、闘病中の子どもにとって、同年代の健常児同様に学校生活が発達を支える上で重要な意義を持つことが認められ始めています。小児がんを患う子どもとその家族の日常生活を支えるという観点から、医療と学校教育の一体化が検討されるべきだと考えます。
 本シンポジウムでは、小児がんの子どもを亡くされた経験があり、現在特別支援学校で教鞭をとられている前田知子先生、小児緩和ケアのご専門であり、「こどもホスピスプロジェクト」に携わられている多田羅竜平先生、学校教育の立場から院内学級や病気を持つ子どもの学校教育について長年実践と研究をされてこられた武田鉄郎先生に話題を提供していただきます。

【日 時】2013年11月16日(土) 13:00−16:00
【場 所】東大寺総合文化センター 金鐘ホール
【テーマ】「小児がんの子どもの日常を支える―包括的ケアと学校教育の役割―」
【企画・司会】近藤 恵(天理医療大学)
【話題提供】
 前田知子(大阪府立羽曳野特別支援学校)
   「小児がんの子どもに寄り添って ―教員として、そして母親として― 」
 多田羅竜平(大阪市立総合医療センター) 「小児緩和ケアと学校教育」
 武田鉄郎(和歌山大学) 「小児がんの子どもの教育の現状とその支援」
【後 援】奈良県教育委員会(申請中)、奈良親子レスパイトハウス、日本育療学会、天理医療大学

東大寺南大門をくぐってすぐの東大寺総合文化センターで鹿とお待ちしています。事前申込不要、参加費無料です。ふるってご参加ください。
*ポスターはこちらからご覧ください。

○臨床発達心理士・学校心理士の方へ
臨床発達心理士資格更新のためのポイントを希望される方は、受付にIDカードを提示し参加記録ノートを提出してください。
ポイント(0.5ポイント)が付与されます。また、学校心理士資格更新のためのポイント(1ポイント)を希望される方も、受付にて手続きをしてください。


■東北地区シンポジウム

担当者:庭野賀津子(東北福祉大学 総合福祉学部)

【テーマ】発達心理学に脳科学からせまる
【概 要】
 近年、人体に侵襲性の無い脳機能イメージングの開発と進歩によって、ヒトの脳機能をさまざまな角度から解明し、発達研究や発達支援に活かす取り組みが進められている。脳科学からのアプローチによる知見が、認知発達研究や発達障害の解明に寄与するところは大きい。そこで本シンポジウムでは、ヒトの認知発達や認知機能について、脳科学からのアプローチによって最先端の研究に取り組んでいる新進気鋭の3人の研究者を招き、研究発表をしていただく。
 河地庸介先生からは、ヒトの視覚・視聴覚統合認知の研究成果からヒトがどのようにして視覚情報と他の感覚情報を組み合わせて認知しているかについて、坂本修一先生からは高齢者や人工内耳装用者のような音声の聴き取りが困難な方における話者映像の役割について、保前文高先生からは乳幼児の認知発達や言語・コミュニケーション発達について脳機能イメージング法によって明らかになったことを発表していただく。これらの知見は、発達心理学の発展に寄与するだけではなく、発達障害を始めとする障害児・者への支援、あるいは育児支援に大きく役立つものである。
 話題提供後は、指定討論者の行場次朗先生から、脳科学・認知心理学に基づくより広い視点からコメントを出していただき、各話題提供者や会場の参加者との討論を通して、我々が今後、発達心理学の研究、あるいは小児から成人までの様々な人々への心理的・教育的支援を展開していく上での示唆を得たい。

【日 時】2013年11月30日(土) 13:00−16:00
【場 所】東北大学文科系総合研究棟大会議室(11階)
     〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 東北大学川内南キャンパス
【企画・司会】
 庭野賀津子(東北福祉大学 総合福祉学部)
【話題提供】
 河地庸介(東北福祉大学感性福祉研究所)「状況適応的に変化する視聴覚統合認知」
 坂本修一(東北大学電気通信研究所)「音声聴取支援システムにおける話者映像の役割」
 保前文高(首都大学東京大学院人文科学研究科)「言語獲得の基盤をなす乳児の発達脳」
【指定討論】
 行場次朗(東北大学大学院文学研究科)
【共 催】日本臨床発達心理士会東北支部(臨床発達心理士資格更新研修会を兼ねる)
【定 員】80名。事前申込不要。参加費無料。
*ポスターはこちらからご覧ください。

○臨床発達心理士の方へ
臨床発達心理士資格更新のためのポイントを希望される方は、受付にIDカードを提示し参加記録ノートを提出してください。1ポイントが付与されます。