日本発達心理学会
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地区シンポジウム

■2023年日本発達心理学会東海地区シンポジウム開催のお知らせ

【テーマ】生涯発達のなかでの「ケア」の多様性と共通性を探究する

【概要】
現在の社会と人間の発達の関係を考える上で、「ケア」の問題はより重要になっています。少子高齢化が進む日本社会では、誰がどのように「ケア」をするか、「ケア」の担い手をどう支えるかは喫緊の課題です。コロナ禍を経て、エッセンシャルワーカーが担う多種多様な「ケア」や家庭内「ケア」の重要性がより認識されるようになっています。ヤングケアラーなど家族や個人への「ケア」の押しつけ、セクシュアル・マイノリティや障害者、子どもを産まない人が「生産性がない」と排除・差別されるなど、「ケア」をめぐる諸問題も浮き彫りになっています。人々の生命・生活・発達を保障する「ケア」のあり方を探究していく必要があります。「ケア」は、養育者から世話をされる経験、同輩関係における援助行動、育児や介護を前提としたキャリア選択など、発達の諸段階、諸側面にかかわっています。「ケア」の大変さがある一方で、楽しさや喜び、「ケアをする/される」ことによる発達もあります。「ケアの倫理」で有名なGilligan, C.(1993)の“In a different voice”の新訳書が2022年に出版されたこの機に、改めて発達と「ケア」の関係を問うてみたいと思います。
本シンポジウムでは、「ケア」の意味を広く「他者の世話をすること」とし、「ケアをする/される」ことが発達とどのようにかかわるか、発達段階での特徴と共通点は何かを議論していきたいと考えています。議論は拡散するかもしれませんが、多様な研究・実践を行う会員がいる発達心理学会ならではの大きな議論ができることを期待します。

【日時】2023年11月25日(土)13:00〜15:30
【場所・開催形式】オンライン(Zoomウェビナーの使用を予定)
【司会】
・峰尾菜生子(岐阜大学地域科学部)
【話題提供者】
・永井暁行(金沢星稜大学教養教育部)
「大学生が『ケア』的役割を担うピアサポートの可能性と課題」
・沼田あや子(白梅学園大学子ども学部)
「成人女性のケア役割と戦争の正義が交差するとき」
・大村壮(常葉大学短期大学部保育科)
 「要介護高齢者をケアするということ:自立と依存をどう考えるのか」
【指定討論者】
・別府哲(岐阜大学教育学部)
【参加費】無料

【申し込み方法】
以下のGoogle Formsよりお申し込みください。
Google Forms URL:https://forms.gle/kLCttzjdgBNyquQq5
※お申し込み〆切:11月22日(水)17:00

 


■2023年日本発達心理学会中国・四国地区シンポジウム開催のお知らせ

ポスターはこちら

【テーマ】
「なぜ育児をするのか?しないのか?―育児の動機づけに焦点をあてて―」

【概要】
「なぜ育児をするのか」という問いは、なぜ仕事に行くのか、なぜ食事をするのかなど、人の日常的な行為の理由を尋ねるに等しいです。それらは日常生活を成立させるために必然であり、一つ一つの目的や結果を意識的に考えることはほとんどないまま日常の中に自動的に組み込まれています。特に、育児は「親の当然の義務である」と考える人にとっては意識しない自然な行為という認識かもしれません。しかし、育児放棄(ネグレクト)に代表されるように、子どもを過度に放任したり、育児を回避する人もいます。また、最近は父親の育児参加のあり方が社会問題になっています。働く母親の増加とともに父親の育児参加が求められて久しいですが、その動きは鈍く「ワンオペ育児」のように母親が仕事と育児の多重負担を担う家庭は少なくないです。
本シンポジウムでは、こうした社会問題について様々な研究が積まれる中、「なぜ育児をする(しない)のか」という根本的な問いに対し、育児の動機づけ研究の視点から考えていきます。育児の動機づけ研究に取り組む研究者や実践者が、それぞれの経験や知見を共有することで、今後の育児をめぐる実践・研究・支援のあり方について議論を深めることを目的とします。

【日時】2023年12月9日(土) 13:00〜15:00
【開催形式】Zoomウェビナーによるオンライン開催
【企画・司会】
・松本麻友子(川崎医療福祉大学総合教育センター)
【話題提供】
・大内善広(東京未来大学こども心理学部):父親の育児動機づけ
・寺薗さおり(埼玉大学教育学部):母親の育児動機づけ―保育者による保護者支援への活用―
・小林佐知子(静岡県立大学短期大学部):意識的・非意識的な育児動機づけ
・橋幸恵(株式会社Mama’s Sachi):実践家の立場から―「パパ力検定」―
【参加費】無料 

【申し込み方法】
以下の Google Formsよりお申し込みください。
Google Forms URL:https://forms.gle/BsB8xpRX6R8VZjDM9

※申し込み締め切り:12月1日(金)17:00
※Zoomの参加URLは後日、お申し込みいただいたメールアドレスにお送りいたします。

※シンポジウムの録画・録音はご遠慮ください。