日本発達心理学会 第33回大会
日本発達心理学会 第33回大会

ポストカンファレンス

●テーマ
公認心理師における「教育・発達」的観点の意義と可能性
その3:自閉スペクトラム症理解と支援における「心の理論」の観点―

●日時:2022年3月13日(日)10:00-12:30(2時間30分)
●会場:Zoomウエビナー
●共催:「教育・発達」心理資格連絡協議会、日本発達心理学会

●後援(依頼予定)
日本公認心理師協会、公認心理師の会、日本心理学諸学会連合、日本心理研修センター

●定員: 500名
●参加費:無料(事前予約が必要)。どなたでも参加出来ます。
★学校心理士、臨床発達心理士、特別支援教育士の資格更新ポイント付与(申請中)

●予約方法
日本発達心理学会第33回大会ホームページの本ポスト・カンファレンス専用の事前登録をお願いします。詳細は後日お示しします。

●問い合わせ先:★のちほどメールアドレスをお知らせします

●学べること

  1. 「心の理論」の観点の発達的・教育的意義と今後の研究課題。
  2. 「心の理論」の問題点と課題。
  3. 自閉スペクトラム症児の他者意図理解・「心の理論」支援のためのアセスメントと支援方法。

【プログラム】
<趣旨説明>長崎 勤(実践女子大学)
<話題提供>

  1. 自閉スペクトラム症における「心の理論」発達研究の意義と展望: 子安増生(京都大学名誉教授)
  2. 自閉スペクトラム症理解と「心の理論」: 別府 哲(岐阜大学大学院教育学研究科)
  3. 「心の理論」は教えられるか?-自閉スぺクトラム症児の発達支援との関係で-:藤野 博(東京学芸大学大学院教育学研究科)
  4. 自閉スペクトラム症児への他者意図理解の発達支援:吉井勘人(山梨大学大学院総合研究部教育学域)

<指定討論>

  1. 児童精神科医学・医療臨床の立場から:清水康夫(横浜市総合リハビリテーションセンター)
  2. 応用行動分析学の立場から(仮題): 井上雅彦(鳥取大学)

<討論>
<全体討論>
(合計2時間30分)

<企画趣旨>

 「教育・発達」心理資格連絡協議会は、日本心理学諸学会連合と連携し、心理学の基礎研究に裏付けられた包括的アセスメントと支援方法を有する公認心理師資格の設立に貢献してきた。公認心理師は、保健医療、教育、福祉、司法・犯罪、産業・労働の各分野の汎用的な国家資格として設立され、今まで4回の国家試験が実施され、2021年9月現在で約43,700名の公認心理師が誕生し、また2021年度からは日本公認心理師協会による「認定専門公認心理師」、「認定専門指導公認心理師(SV資格)」の認定も開始している(https://www.jacpp.or.jp/training/)。公認心理師の現任者講習会テキストや公認心理師試験出題基準で提示され強調されている「生物・心理・社会モデル」には、以上の理念が反映されているといえるが、今後、アセスメントや支援方法においては、「教育・発達的観点」がより適切に反映されるように働きかけてゆく必要がある。本連続シンポジウムでは、保健医療、教育、福祉、司法・犯罪、産業・労働の各分野において、「教育・発達的観点」がどのような貢献をし、従来の心理支援の枠組みを超えた、新たな「教育・発達的観点」による支援方法の可能性について共に考えていきたい。
 その第3回目として今回は「心の理論」研究の意義と課題をとりあげたい。
 1980年代から自閉症スペクトラム障害(ASD)の基礎研究・支援研究が進展し、ASD児者の理解と支援が進んでいるが、そのなかでもASD児者の「心の理論」研究は、ASD児者の本質的な特性を解明するだけでなく、「心の理論」研究の深化、また神経生理学、社会学、哲学、言語学などの関連領域にも多くの貢献をしてきた。おそらく、このような研究の進展の背景には、「心の理論」研究は、「自己とは異なる他者の理解とは?他者とどうかかわるか?」、といった、グローバル化・多様性・インクルージョンがすすみ、また一方で、分断化・孤立化・格差を深める現代社会のもつ切実な問題、またそれ故に人文科学や脳科学にとって普遍的なテーマを包含しているとも考えられる。
 この「心の理論」研究、また「心の理論」とASD児者の関係の研究には、教育心理学・発達心理学が大きな貢献をしてきている。本シンポジウムでは、まず日本において「心の理論」研究を先導してこられた子安増生氏(京都大学名誉教授)から、「心の理論」発達研究の切り開いた意義と今後の展望について総論を述べて頂く。次にASD児者の理解と「心の理論」の関係性について、別府哲氏(岐阜大学)から理論的・実践的な観点から述べて頂く。また、「心の理論」のアセスメントと支援について継続的に研究をされてきている藤野博氏(東京学芸大学)、自閉スペクトラム症児への他者意図理解の発達支援事例について吉井勘人氏(山梨大学)から報告していただく。最後に、児童精神医学・医療の立場から、日本ではじめてウタ・フリスの翻訳書を紹介された清水康夫氏(横浜市総合リハビリテーションセンター)に、また応用行動分析学の立場から井上雅彦氏(鳥取大学)に指定討論をして頂き、「教育・発達」心理学的観点からのASD児者の理解と支援の展望を得たいと考える。